発掘ってなんだろう?
- 遺跡(いせき)ってなんですか?
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むかしの人々の残した痕跡(こんせき)すべてを遺跡といいます。
ですから、みなさんが歩いている道も将来(しょうらい)遺跡となるかもしれません。
遺跡は、「発掘調査(はっくつちょうさ)」で調べられます。
- 発掘調査(はっくつちょうさ)ってなんですか?
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考古学(こうこがく)という学問をもとに遺跡(いせき)を調べる方法です。
これらの遺跡は、長い長い年月をかけて少しずつ埋まっていきます。
ですから発掘(はっくつ)は、逆に、埋まった土を少しづつ上から取りのぞいていく作業でもあるのです。それに遺跡は、一度掘ってしまうともう元にはもどりません。ですから、遺跡の発掘はていねいにそして慎重(しんちょう)に行わなければなりません。
また、遺跡を掘って調べたあと、遺跡から持ち帰った遺物(いぶつ)を写真に撮ったり図面に書いたりする作業があります。
- 遺構(いこう)ってなんですか?
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地面に残された跡(あと)のうち、地面をほって造られたむかしの家や古墳(こふん)、井戸や道などで、動かすことのできないものを遺構(いこう)といいます。
- 遺物(いぶつ)ってなんですか?
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地面に残された跡(あと)のうち、動かすことのできるものを遺物(いぶつ)といいます。
たとえば土器(どき)や石器(せっき)などです。このほか、人間が食べ残した動物の骨(ほね)や木の実なども遺物です。
- なぜ遺跡を発掘するのですか?
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発掘調査の目的は大きく分けて2つあります。
ひとつは、遺跡のある地域の歴史を知り、現代に伝え、今のわたしたちの生活に役立てることです。
もうひとつは、道路や建物を造るために遺跡が壊(こわ)れてしまう前に、遺跡の内容を記録(きろく)するための調査です。遺跡は大切な宝ですが、私たちの生活も大切です。
ですから、どうしても遺跡がある場所に道路や建物を造らなければならないこともあります。
こういう場合に、遺跡の内容を記録するために調査が行われます。
- 分布調査ってどういう調査ですか?
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畑のまわりや山の中を歩き回って、土器のかけらや石器などを探し、遺跡の範囲(はんい)や遺跡の時代や性格などを知るための調査です。
これらの土器が見つかったら、落ちていた場所を地図に印をつけていきましょう。
その場所の下に当時の人びとが住んでいた家がある可能性が高いからです。
- 確認調査ってどういう調査ですか?
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分布調査をして遺跡の範囲を調べたあと、その場所に本当に遺跡が残っているかどうか調べるための調査です。
試し掘りという帯状あるいは正方形の穴を掘る調査で、どのくらいの遺構があるのかなどを調べます。
そして調査するための基準(きじゅん)になる杭(くい)を打ちます。
この杭は、GPS装置を使って、地球上のどの位置にあるのかがはっきりとわかるように打ちます。
- 本調査の方法を教えてください。
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調査する範囲(調査区)の表面の土を取りのぞきます。 この作業はパワーショベルなどの重機(じゅうき)で行います。 遺物の埋まっている土を少しずつ削るように掘っていきます。
土器や石器などの遺物(いぶつ)があったら、移植ゴテや竹グシでていねいに土を取りのぞき、目印になる竹グシなどを立てておきます。
次に鋤簾(ジョレン)などを使い、土の表面をきれいに仕上げていきます。まわりの土と違う色の土が出てきた部分は、多くの場合家の跡や柱の穴などで、それらを「遺構(いこう)」といいます。
遺構は土の埋まり方を調べるために一部を残して掘りすすめ、図面や記録写真を撮っていきます。
- 発掘調査のあとはどうするの?
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出土した遺物(いぶつ)や遺構(いこう)を図面などに記録したり写真に撮ったりしたものは、その遺跡の特徴を研究したり、あとで調べたい時に取り出せるように整理し、最後に「発掘調査報告書」にまとめます。
土器や石器などの遺物は、取り上げた場所や日時がわかるように遺物のひとつひとつに記入していきます。
出土したこれらの遺物は、その後、県や市町村が保管します。